眼精疲労とはなに？

 1）目は脳の一部

そもそも目とはどんな器官なのか説明します。

人が体内に宿って約3週間という非常に早い段階で脳組織の中に目の胚と呼ばれる細胞ができます。体が出来ていく過程でそれが脳から外側に向かって行きます。出来上がったのが目です。このように目の発生は脳からです。発生学的に見れば、目は脳そのものだと言えます。「目は脳の一部」とはよく言われます。

それに、 

目から脳への情報量は全感覚器官（視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚）の約80％だと言われます。脳との関係で目は圧倒的に重要な役割をしています。

2）目の疲れは脳の疲れ 

この重要な働きをする目が無自覚に疲れる状態にあれば、脳の疲れになり、自律神経の疲れになり、全身の疲労になると考えられます。

すなわち

目の無意識の疲労ー＞脳神経の疲労ー＞全身の疲労（眼精疲労）

になります。

3） 眼精疲労の症状

特徴的な症状は、肩こり、首筋こり、頭痛、目の疲れ、体の痛みなど幅広い全身の症状です。

4） 眼精疲労の原因

眼精疲労を起こす目とは、どんな状態の目かと言うと、遠視や乱視や斜位という目です。

「斜位」とは潜伏的に視線が外側や内側、あるいは上下にズレている目です。

ズレを脳神経が絶えず修正していますから、二重に見えないものの脳神経が大変疲れます。

「遠視「」は絶えず視神経を緊張させます。「乱視」は局部調節という働きのため疲労の原因となります。

このように遠視、乱視、斜位は眼精疲労の原因です。

5）眼鏡で眼精疲労はとれます。

遠視も乱視も斜位も眼鏡で矯正できます。症状の軽減は30分も仮眼鏡を掛けてもらえば判ります。

6）医学の盲点か

現在、斜位検査を行っている所は眼科を含め大変少ないので、斜位という言葉さえ知らない人が多数です。これが眼精疲労と目の関係を判らなくしているのではないでしょうか。

例えば肩がこるから医師にかかっても、目からとはなかなかなりません。眼科の眼鏡処方箋を持参される方のほとんどが斜位の検査をしてありません。