斜視と混同されやすい斜位(斜位と斜視は違います)
斜位と混同されるのに斜視があります。斜視は外見的に視線がゆがんでいます。斜視という言葉は知られていますが斜位はあまり知られていません。
斜位とは
斜位は、元々視線のゆがみがあるのですが眼筋の力をもって視線を合わせますから外見的には正常です。潜伏性斜視と呼ばれます。
両眼をつぶって目の神経を休めると、両眼の視線は別の方向を見て合っていないのですが、両眼を開けると眼筋の働きで視線を合わせています。
だから、ものが二つには見えません。視力も落ちません。
(二重に見える斜位もありますが眼鏡で矯正できます。)
しかし、この眼筋の絶え間ない不自然な緊張が脳の自律神経の疲れになり、その結果、全身の疲れとなります。
(1) ものを両眼で見ているとき、斜位があっても無くても、両眼とも目標に向かっています。
(遠方を見ているときは、ほぼ平行)
斜位がなければ、両眼の視線は神経の疲れない自然な状態で、目標に向かっています。
斜位があれば、本来視線のズレはありますが、視線を合わせる神経が緊張し両眼の視線を合わせます。
そのため、ものが二重に見えることはありませんが絶えず眼筋の緊張を強いられ、疲れます。
(2) 片眼を遮蔽した時
遮蔽した方の目がゆがまないのは斜位のない目です。
だが、自分では、ゆがんでいるのかいないのか判断できません。
(3) 片眼を遮蔽した方の目がゆがむのは斜位があるということになります。
でも遮蔽板を除けば、動眼神経が緊張し、両眼はまた目標に向きますからものが二重に見える
ことはありません。(斜位が強いと二重に見える方がいます。)
やはり、自分では視線がずれているのかどうか分かりません。
この原理を使ってカバーテストという斜位検査がありますが、きちんと斜位を測るには、それに相応しい装置が必要
です。
※カバーテストは左右の目を交互に遮蔽して、目の動きを見て斜位の有無を判定します。
斜位はいつも目の神経が無意識に緊張して視線を合わせていますから、自分に斜位があるのか無いのか
分かりません。
それを判別する簡易検査(スクリーニング)があります。下のボタン 「斜位の簡易検査」から入って下さい。
強度斜位の手術
眼鏡矯正が難しいような強度斜位の場合、斜位の手術を選択肢に入れることもあります。術後は残余斜位を
眼鏡で矯正することになり矯正がしやすくなります。例えば術前は斜位の度がp25あったのが術後はp5になれ
ば眼鏡で十分矯正可能です。
手術のみで斜位が完全に消えることはほとんどありませんが、複視(ダブって見える)しているような場合、
術後は複視しないようになります。眼精疲労をとるために残りの斜位を矯正します。
手術は、斜位、斜視の手術に慣れた先生にお願いしたがいいと思います。一口に眼科と言っても得意とする分野
が異なります。
象牙堂めがね店や東京眼光学研では、お客様を眼科に紹介し手術をお願いすることもあります。
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2024/4/22
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